カルモエステートのソーシャルプログラム
カルモエステートは、150年以上に亘ってコーヒーを生産してきた一族で、現在の農園主であるトゥーリオさんは5代目となります。当時は小さな農園でしたが、1950年ごろ父の代から少しずつ農園を広げ、多くの従業員とともにコーヒーを生産してきました。トゥーリオさん自身は、ブラジルスペシャルティコーヒー協会の会長も務め、品質を通じて持続可能な農園へと取り組んでいます。
カルモエステートは、従業員に質の高い生活を提供し、環境の持続可能性に配慮しながら、高品質なコーヒーを生産する事を信念としています。スペシャルティコーヒーには、社会的発展を後押しするだけの力があるとトゥーリオさんは語ります。その為、カルモエステートでは、他には見られない様々な社会的な取り組みを見ることができます。
その1つである住居供給プログラムは、トゥーリオさんの奥様のルーさんが中心となり、インフラを整え、従業員の家など1つのコミュニティを作ってきました。土地を格安で譲り、家を建てられるように支援し、電気・浄水施設、協会や集会所、診療所などを作り、子供達の学校までバスも通しサポートをしています。現在は60家庭がこの集落に暮らし、この土地で生まれ育った世代も誕生しました。ブラジル全体で地方の過疎化が問題視されているが、環境を整備し雇用を伸ばす、カルモエステートにとって重要な活動となっています。
農園で従業員ご夫婦に話を伺うと、住居もトラックも持っており、昔では考えられないほど十分にぜいたくな暮らしができていると言います。またご夫婦の両親は字の読み書きさえも難しかったそうですが、自分たちの子供に十分な学校教育を与える事ができており、医療のサポートもある暮らしに満足していると仰っていました。