サン・フランシスコ農園の歴史
エクアドル北部のカルチ県は、国境を挟みコロンビア ナリーニョ県に隣接するアンデス山系の山岳地域です。サン・フランシスコ農園の歴史は古く、19世紀に遡ります。当時カトリック教会の影響力が強い時代、アンデス高地のボリバルの領地の多くは教会や司祭が統治していたそうです。この領地の中でプランテーションを行う農地としてあったエル・タンボ農場の一部が現在のサン・フランシスコ農園です。エル・タンボ農場は、その後の自由主義革命による政教分離、宗教運動によって20世紀に入るとヤラブ家によって管理されるようになり、その後、民主化が進む中で農場をサン・フランシスコ農場、ツタピス農場、エル・タンボ農場の3つに分割し、それぞれ別のオーナーの手に渡りました。
この時にサン・フランシスコ農場を購入したのが当時イバラで焙煎工場を経営していたホルヘ・ロモ・カデナ氏とリバ・ファビオラ・モリーナ・エスピノザ夫人でした。サン・フランシスコ農場では、ジャガイモを中心とした農作物の生産が行われており、これをコーヒー生産へ転換。カルチで初めてのコーヒー農園として1985年、サン・フランシスコ農園がスタートしました。ホルヘ・ロモ氏は、コーヒー生産から焙煎・加工、販売まで一貫する事で、国内のコーヒーマーケットの産業化、商品化を押し進めた実業家として今なお語られています。