The change of the specialty Coffee1978年、米国Kunutsen Coffeeの代表Erna Kunutsen女史はフランスのコーヒー国際議会において、“特別な地理的環境が生み出す微小気候(マイクロクライメット)がもたらす、特徴的な風味特性を持った新しいカテゴリーのコーヒー”に対して初めて“スペシャルティーコーヒー”という名称を用い、その存在を提唱しました。
70年代当初、コーヒーの最大の消費国である米国は大量生産、大量消費のバルクマーケットの渦中にあり、膨大な需要に対応すべく多くの物資を輸入する必要がありました。その中でコーヒーもその例外ではなく、質は軽んじられ、量の供給のみに重きが置かれました。こうした流れは急激にコーヒーの価値を落としめることとなり、飽和するいわゆる不味いコーヒーによって消費者の関心を失っていくという状況に陥りました。この時点よりコーヒーの消費量は減少の一途をたどり、さらにソフトドリンク等の台頭によってコーヒーは飲料としての魅力をさらに失っていきました。
こうした中で各国のロースターは消費者のメッセージを読み違え、量偏重であった過去の反省のもとに、消費者にとって魅惑的な飲料であったコーヒーを取り戻そうという機運が高まりました。安価なコーヒーが蔓延するマーケットの中、あえて高い付加価値を掲げ、消費者に対しその当時では最も魅力的な風味特性を持つコーヒーを提供し、その存在を問いました。
買い付け担当者が生産地へ赴いて農園を視察し、彼らが要求する品質のコーヒーの生産に付加価値(プレミアム)を支払い、消費国の求める新たな品質基準を教育する。こういった新しい取り組みによって、それまで単なる相場商品であったコーヒーはそれ以上の新たな価値を伴った“スペシャルティーコーヒー”へ昇華されることとなったのです。
また、品質に対して対価を払うといった仕組みは生産者のモチベーションを刺激し、新たな品種開発、土壌開発、肥料開発、生産処理方法の研究が行われ、カップオブエクセレンスに代表されるようなオークションプログラムは、実需であるロースターと接する機会を提供し、“ダイレクトトレード”と呼ばれる直接取引が行われるようになりました。

今日ではこうした双方向の関係性が高まり、生産者から消費者への道筋、“From Seed to Cup”という概念はさらに発展し、スペシャルティーコーヒーは、今ではより多様性を増し、常に進化し続けています。