/uploads/2012/09/knowledge005.jpg” alt=”” title=”knowledge005″ width=”332″ height=”253″ class=”alignleft size-full wp-image-485″ />生産処理方法には、大きく二つの方法があります。1つは水洗式、ウォッシュド(Washed)と呼ばれるもので、もう一方が非水洗式、アン・ウォッシュド、ナチュラル(Un-washed, Natural)と呼ばれるものです。最近ではパルプドナチュラル、エコウォッシュド、ハニー、パルプドアンドデミューシレージド、セミ・ウォッシュドなど、さまざまな生産処理方法が存在しますが、一番重要な点は、どのタイミングで乾燥させるのかということです。
ウォッシュドはコーヒーの実をパルパーという機械にかけ、皮とパルプ質を剥いだのち、半日~1日程度水に漬けます。(漬けないこともある)時間がたつと豆についたミューシレージが自然発酵します。
ここで、豆を水で洗うと、ミューシレ―ジを洗い落とすことができます。その後、天日乾燥、機械乾燥(両者を組み合わせるのが一般的)を経て、薄い殻に生豆が1粒入ったパーチメントコーヒーが出来あがります。この殻を剥くと、日本で流通しているようなコーヒー生豆になります。ウォッシュドは手間がかかりますが、工程の中で未熟、過熟な実・豆をある程度取り除くことができます。世界のほとんどの国ではこの生産処理が一般的で、比較的くせのない酸味のあるのが特長です。
自然発酵の工程については、発酵させずにミューシレ―ジを機械的に取り除く方法もあり、発酵過程を通したものをフリーウォッシュド(Fully Washed)、機械的に除去したものをパルプドアンドデミューシレ―ジド(Pulped and Demucilaged)やセミウォッシュド(Semi-washed)と区別することもあります。
アン・ウォッシュドは収穫したコーヒーの実をそのまま乾燥させる方法です。ブラジルとエチオピア、イエメンでは一般的な方法ですが、それ以外の国では主に国内消費向けに作られています。ウォッシュドに比べると簡素な方法ですが、乾燥日数が多くなります。乾燥した実を脱殻して、豆を取り出します。独特の香りや甘みがあるコーヒーになります。
パルプドナチュラル(Pulped Natural)はコーヒーの実をパルパーという機械にかけ、皮とパルプ質を剥いだのち、そのまま乾燥工程に入るものです。ミューシレ―ジは傷みやすいですが、通常のウォッシュドよりも甘味のある豆になる傾向があります。中米では、ミューシレ―ジをミエル、また蜂蜜(ハニー)のこともミエルと呼ぶので、パルプドナチュラルのことをハニーコーヒーと呼ぶ人もいます。ただ、ウォッシュドやナチュラルに比べると、パルプドナチュラルはあまり流通していません。
さらにミューシレ―ジを100%残したまま乾燥させる方法、ある程度機械でミューシレ―ジを取り除いて乾燥させる方法もあり、それぞれレッドハニーコーヒー、イエローハニーコーヒーなどと名付けられることもあります。
インドネシアのアラビカ種で見られる「スマトラ式」は、ウォッシュドと同じ工程で水洗まで行い、乾燥する前にパーチメントの殻を剥いて、生豆の状態で乾燥させる方法です。ウォッシュドコーヒーでも1〜2週間必要な乾燥期間はわずか3日程度で済みます。乾燥前の生豆は非常に柔らかいので、乾燥中に変形したいびつな豆が多くなり、独特の深緑色になります。味も独特の香りと苦みがあります。
このように同じチェリーを使っても、生産処理方法を変えると、コーヒーの味は大きく変わります。
ちなみに、カネフォラ種では、ナチュラルが多く、一部ウォッシュドもあります。

/uploads/2012/09/knowledge006.jpg” alt=”” title=”knowledge006″ width=”332″ height=”254″ class=”alignleft size-full wp-image-486″ />選別は、現在各国でさまざまな機械や人手を駆使して仕上げられています。アン・ウォッシュドでは、重要な工程です。一般的には風力選別機、スクリーン選別機、比重選別機、電子選別機、ハンドピックなどがあります。当然ですが、機械に何度も通すとコストアップ、目減りにつながり、販売額(購入側にとってはコスト)はアップしていきます。
カネフォラ種では、ナチュラルで生産処理された豆を、脱殻後に磨くこともあります。ポリッシュやアフターポリッシュ(AP)と呼ばれています。

/uploads/2012/09/knowledge007.jpg” alt=”” title=”knowledge007″ width=”332″ height=”254″ class=”alignleft size-full wp-image-487″ />選別された豆は、輸出までに格付けを行います。格付けは国ごとに異なり、粒の大小でスプレモ、エクセルソと分けるコロンビア、欠点豆の混入量と大きさによって分けるブラジル、収穫された標高によりSHB、EPWなどと分けるグァテマラが代表的な格付けで、これらは収穫された標高、粒の大きさなどを示しているに過ぎず、味との関係は一概にはいえない規格もあります。
特にスペシャルティコーヒーの取引では、粒の大きさや欠点豆の混入、標高の小さな違いよりも、豆の味(カッピング)をベースに価格設定されることが一般的になっています。(次ページへつづく