農園の変遷
セーハ・ド・ボネ農園は、1988年に父であるアントニオ氏から現在の農園主であるカルロス氏が受け継ぎ、わずか7ヘクタールの小さな農園としてスタートを切りました。当時、アントニオ氏が目指したのは労働者・顧客・農園の自然環境すべてに害を与えない良質なコーヒーを作る事でした。その為、品質だけでなく有機的なアプローチで健康的なコーヒー生産を行う事が農園のポリシーとして大切に守られています。
80年代当時では、彼のようなポリシーを持つコーヒー生産者は少なく嘲笑されることもありましたが、除草剤を使用せずに手作業によって手入れされ、原生林や水源の保護による持続可能な環境づくりを行う事で、微生物と有機物が豊富な土壌を育成しました。また、地形的条件と雇用拡大を図り、コーヒーの収穫は手収穫で行われ、熟度の均一なコーヒーが収穫されます。こうした献身的な活動と共にアラポンガの冷涼な気候や濃い赤土の土壌、名前の由来ともなった『のこぎり歯=Serra do Bone』のような岩山から吹く強風などのマイクロクライメットの恩恵を受け、生産された特徴的で素晴らしいコーヒーは、2003年のCup of Excellenceで優勝し、その後もCOEや地域のコンペティションで多くの賞を獲得しました。こうした成功の中で毎年少しずつ面積を広げ、現在は87ヘクタールとなり、自然と調和した農園づくりが行われています。