ボリビアコーヒーの背景
ボリビアの首都ラパスは標高4000m 弱、「 世界で一番高いところにある首都 」と呼ばれており、北西から南部にかけてアンデス山脈が連なる南米の内陸国です。日本では「ウユニ塩湖」が観光地として有名になった事でも知られていますが、もう一つ有名なのが 世界で最も危険な道 「Death Road」。この道は最近まで首都とコーヒー産地カラナビを結ぶ主要道路でした。こうしたアンデス山系を背景とした山と谷の国というイメージがある一方で、アンデス山脈を超えるとボリビア経済の中心地であるサンタクルが位置し、ブラジルにつながる標高600mほどの広大な森林地帯が広がっています。
コーヒー生産の90%以上がユンガスと呼ばれる北部のアンデス山系で生産されており、ユンガスの産地も南ユンガス(タケシ)と北ユンガス(カラナビ、コロイコ)に分けられます。もともとボリビアではアルティプラーノと呼ばれる、ラパス近郊の高原地帯がスペイン人入植者によって開拓されました。そこは金、銀、すずなどの鉱山資源は豊富にありましたが、4000mに近い冷涼で過酷な環境は農業には適しませんでした。そこでアルティプラーノの住民たちは、肥沃で気温も穏やかで過ごしやすいユンガス地域に「降りて」きました。
先にコーヒー生産が栄えたのはタケシなどラパスに近い場所でしたが、よりコーヒーに適したコロイコやカラナビに次第に産業が移ってきました。そしてカラナビはボリビアコーヒーの首都と呼ばれ、同国コーヒーの一大集散地となりました。