西ジャワのスペシャルティコーヒー生産者
グラヴファームは、ユギオンさんと妻のルーシーさんが中心となり、地域の文化や伝統、自然環境を持続可能なものに、そして発展させることをビジョンに掲げて、自社の農園、そして森林部に暮らすフォレストファーマーらと手を取り合いながらコーヒーを生産しています。西ジャワ、バンドンの南西部シウィディに拠点を構え、2000年に起業したユギオンさん。1年間日本で暮らしていたこともあり、とても親日家です。ビジネスコンサルタントのキャリアを持つ聡明で思慮深いユギオンさんと、常に笑顔で明るく、パワフルで心温かなルーシーさん。自社の農園だけでなく、地域全体のコーヒー産業を盛り上げるために尽力しています。
グラヴファームでは、シウィディ、パンガレンガン、ガルート、タマルグングと4つの地域に9つの農園を持ち、自社農園だけでなく周辺に暮らす生産者のコーヒーづくりを手伝っています。その1つであるスカラツは、パンガレンガンの最も標高の高い1700mに位置する村で、56ヘクタールの自社農園も所有している地域です。国立公園に沿うスカラツ村では、コーヒーの木の植樹・収穫は許可されている一方で、自生する木々の伐採や持ち出しが禁じられており、自生する松やユーカリの木々の隙間を縫うようにコーヒーの木が植樹されています。こうした特異なコーヒー生産環境は自然環境との共生を意味しますが、1Haあたりのコーヒーの生産量は非常に少なく、コーヒー生産のみでの生活は非常に厳しい現状があります。特産品として紅茶の栽培地としても有名ですが、標高の高い山間部においては品質を高めてスペシャルティコーヒーを生産する意義は大きいと言います。