チェルチェレ・ウォッシングステーション
チェルチェレ・ウォッシングステーションは、コーヒー産地区分であるイルガチェッフェ地区、行政府分では南部諸民族州ゲデオ県チェルチェレの標高1950mに位置するトラコン社が所有するウォッシングステーションです。地元に暮らす1000名弱のコーヒー生産農家と二人三脚で高品質なコーヒー生産に取り組んでいます。
収穫期になると毎日農家から収穫したてのチェリーが運び込まれ、ウォッシングステーションで生産処理から乾燥まで行われ、ドライパーチメントに仕上げられます。チェルチェレ・ウォッシングステーションには収穫期には200名以上が働き、納品されるチェリーの選定、生産処理の各工程での作業・管理、アフリカンベッドでの攪拌やピッキングなど多くの人の手によって、品質が高められています。そうしてチェルチェレで生産されるコーヒーは年間約5000袋にも上ります。
近年はより多様な風味や品質への探求から、ウォッシュド・ナチュラルの2つの伝統的な生産処理プロセスだけでなく、アナエロビックやカーボニック・マセレイションなど発酵工程による風味の変化も模索しています。ウォッシュド・プロセスにおいても、使用する水をろ過や水路の衛生強化などによってより質が高く清潔な水を使用する事で、コーヒーの質を高めています。
また乾燥工程においてもベッド番号でのロット管理や伝統的なアフリカンベッドの天日干し乾燥だけでなく、農業用の遮光ネットをシェードにした日陰干しを検証し、並行して採用しています。通常のアフリカンベッドでの乾燥の場合には10日~14日ほどの乾燥時間ですが、シェードによる日陰乾燥では1週間ほど乾燥時間が延び20日ほどのスロードライングに変わります。こうした乾燥時間の変化は水分値だけでなく、水分活性値の適性化に繋がり、長期に亘る品質の安定化に大きく寄与しています。