ロス・プラセレスのコーヒー生産
ロス・プラセレス農園は、現在ミエリッヒファミリーが所有する農園の中で最も古く、また敷地面積が最も大きな農園です。コーヒーの生産だけでなく、牧畜で牛を育てている農園でもあります。農園の約10%が自然保護区域の指定を受けており、森林伐採はもちろんの事、狩猟も禁じられています。彼ら自身も敷地の活用において野生動物の生息地となるように、毎年一定規模の植林を行っています。その分、コーヒー生産面積の縮小を意味しますが、環境生態系の維持とコーヒー生産の持続可能性を目指して、様々な生産体制の工夫がされています。
植樹に代表されるのが、いわゆるシェードツリーによる日陰栽培ですが、日照時間か風通しを加味すると過度な植樹は困難です。そこで1ヘクタール当たりの生産量を増やすことで自然環境との共生を図る事ができないか、祖父のドクター・ミエリッヒを中心に長い時間をかけて検証を行ってきました。
そして現在、木々の植樹間隔を60cmに近づけ、3メートル刻みのレーン上にコーヒーの木を植える事で、ロス・プラセレス農園では1ヘクタール当たりの木の数を35%増やすことに成功しました。また、ロス・プラセレス農園では大規模なリノベーションを行い、60%をエチオサル種へ、その他ジャバニカ、パカマラ、H1品種の生産に充てており、収量の高いエチオサル種をメインバラエティにおく事で、1本あたりの収穫量を増やし、当初の目標だった自然環境の保全、植林計画への道筋を立てています。なおかつ、コーヒー生産においては、この栽培方式によって、風通しと日当たりを確保する事が可能となり、チェリーの糖度、熟度の均一性も高められる非常にポジティブな結果を齎しています。
現在は新たに土壌の有機物を強化する目的でローカルな植物であるイネ科のブラキアリアを植える取り組みを開始しています。