エルマノス・バルソ マイクロミル
エルマノス・バルソ マイクロミルは、2017年に設立されたエルネスト一家の家族経営の小さなミルです。コスタリカでは、2000年以降、マイクロミル革命と呼ばれる生産者自身が小規模なウェットミルを持ち、栽培から水洗処理、乾燥まで一貫管理して、高品質なコーヒーを生産する動きが活性化し、スペシャルティコーヒーへの大きな転換期となりました。そして2020年現在コスタリカ国内には約190のマイクロミルが誕生しました。近年はその増加傾向も落ち着いた一方、タラス地域では新設のマイクロミルが近年もいくつか設立されています。エルマノス・バルソも近年になりマイクロミルを構えた後発のミルの1つで、20年前よりこのバラブランカ農園でカトゥアイを生産し、近隣の農協などにチェリーを卸し、コーヒー生産を続けてきました。
近年、近隣の農家や友人がマイクロミルを設立していく姿を見ていく中で、彼らのように消費国のバイヤーが農園を訪れ、自分たちのコーヒーが世界中で飲んでもらえる事を夢見て、自分たちも家族でマイクロミルを持つ決意をしたそうです。また、マイクロミルを持つことで、自分たちの努力次第で品質の向上や付加価値を高めていき、コーヒー生産を魅力あるものにしていきたいと考えました。
設立当初は、技術的にも設備的にもすぐに販売できる品質のコーヒーは生産できず、電気も通っていなかった為、2018年までは発電機を利用し果肉除去を行い、ハニープロセスを行っていたそうです。また、同じ時期に乾燥場を作り、天日用のアフリカンベッドの設置、スロードライ用に室内乾燥場も備え付けました。室内乾燥場は、限られた乾燥スペースの中でも攪拌が行いやすいように工夫を凝らし、引き出しのように稼働する乾燥棚に仕上げました。
毎日毎日が新しい事や苦労の連続でしたが2019年にようやく電気が通り、ウォッシュドプロセスとハニープロセスの2つで、十分な生産能力を持つ処理が行えるようになり、マイクロミルとしての生産体制がようやく整いました。