こんにちは。大阪支店の酒井です。

先週は日本全国で台風8号の影響を受け、
被害にあわれた方には、いち早い回復をお祈り申し上げます。

さて、夏本番、
ということで、今回のテーマは、「水出しコーヒー」
すっかり、夏場のコーヒースタイルの一つとして定着してきた感があります。

水出しコーヒーには大きく分けて3通りがあります。
1.クラシカルな点滴型
2.麦茶のパックのように、コーヒーの粉を不織布にパックしたもの(これを水につけて、冷蔵庫で4時間~1晩)
3.水出しコーヒー専用のジャグ・ポットを用いたもの

1は、特殊な器具を使用しますので、あまり家庭向けではないと思います。

2は、家庭では手軽に抽出できて、スーパー量販店をはじめおそらくこの形態での販売が一番多いのではないかと思います。ただ、粉に挽いた状態でパック詰めして販売することになりますので、経時変化には注意が必要です。

3は、ひと手間、ふた手間かかりますが、挽きたてのスペシャルティ・コーヒーで作れば、
2のパックとはまたヒト味もフタ味もちがったフレッシュなコーヒーの香りを楽しめます!!

<<<今回は、透明感(クリーンカップ)に着目!>>>
水出しコーヒーを湯抽出のアイスコーヒーに近づけるなら、しっかり深焼きの豆でコクを出すべし、となりますが、
今回のテーマは、綺麗な液質と意外にもはっきり抽出される香りに着目しました。
浅煎りから中深煎り(1ハゼ~2ハゼ手前)の豆を使ってみると、
水出しでないと作れない新しい風味が生まれてくれた、ちょっとそんな気がします。
うまく伝わるかわかりませんが、一言でいうと、それは『透明感があって、ジューシーさを楽しめるコーヒー』です。

今回は、2014年新発売の『TAKEYA 水出しコーヒージャグ』を使って、
大阪支店の井上、佐藤、酒井の3人でスペシャルティコーヒーを使った水出しコーヒーを試作、
お客様に試飲していただきました。

商品情報↓

※焼き豆60g(ditting KFA-903の挽き目8.5)、水800㏄、抽出時間15時間(冷蔵庫)出来上がり740㏄(5杯分)

<<3人のおススメの水出しコーヒー>>

★エチオピア・イルガチェフェ KONGA G-1
比較的焙煎は簡単で、4-5回試作しているうちに特徴を掴むことができます。
ハゼる前から火力を少し強めにすると、抽出液が非常に綺麗になるので試してください。
また出来上がりは非常に華やかなで、透き通る感じが強いのが特徴です。
少し前に流行った‘ピーチウオーター’感覚で、女子会などのウエルカムドリンクで楽しんで頂きたい逸品です。(井上)
オンラインショップで8~9月に同じ商品が再入荷予定です

★コスタリカ・タラス・ドタ シンパティア
一方これはちょっと若い赤ワインに似たどっしり系の男性をターゲットにした水出しを目指して考えました。
焙煎は失敗の連続でしたが、初期段階の火力調整が味の構成に大切だと見えてきます。
意外かもしれませんが、液質に重たさがあるのでスモークサーモン+グリッシーニなどと一緒にお試しください。
新たなコーヒーの世界を感じる水出しで、私自身、コーヒーを越えた新たな飲み物(ジャンル)と思っています。(井上)
(オンラインショップで近い商品:コスタリカ・ロスアンヘレス・エストレージャ

★コロンビア・トリマ・ガイタニア
この商品はコロンビアらしくジューシーで非常にバランスのとれたコーヒーなので、
そのコーヒー感をより感じて頂けるように液質の濃さにこだわって焙煎しました。
最初の水抜き段階以降、火力はやや強めでダンパー調節を極力しないのがポイントです。
液質は非常に濃厚ですが、嫌な苦さは全く無くすっきりとした爽やかな後味を感じて頂けると思います。(佐藤)
(オンラインショップで近い商品:コロンビア・プラナダス・トリマ

★エルサルバドル・オレンジブルボン
固い豆ばかりの試作品の中で、唯一軟らかい豆での挑戦。
火力を抑えながら、低温投入、1ハゼ後も温度があがらないようにダンパーをかなり開放したまま3分ほど焼きました。
使用した豆が2012年入港だったので、ちょっと古い風味が出てしまいましたが、
丸いマウスフィールと甘さは引き出せたかなと思います。(酒井)
(オンラインショップで近い商品:エルサルバドル・サンタリタブルボン(9月入荷予定)

★コロンビア・ポパヤン・エストレージャ
なぜか、強烈なジンジャーフレーバーのカップのマイクロロットコーヒー。
生姜マニアの酒井がひやし飴をイメージして、作ってみました。焙煎はあまり深く考えず、2ハゼ入ってすぐまで。
ほかのテイスターからは見向きもされません(?)が、イメージ通りの風味が作れました。(一人悦)
さっぱりした和食系料理、またはこってりした中華系とかの食中食後のドリンクとしてもマッチする気がします。(酒井)

試行錯誤の中で感じたこととしては、
水出しコーヒーは、抽出メカニズムが単純なだけに、生豆と焙煎の特徴がそのまま味にでる感じがします。
焦げやスモーキーな焙煎、逆に生焼けは、低温抽出であってもその味が抽出されます(されてしまいます)。
ただ、”挽きたて”の水出しは、ホント思った以上に香りがしっかり抽出されるのが発見でした。

貴店の水出しコーヒーは、水出しコーヒーブレンドのパック商品だけですか?
シングルオリジンのストレートコーヒーの『”挽きたて”水出しコーヒー』の世界も結構奥が深くて面白いですよ。
60gで5杯(740㏄)とれるなら、コストパフォーマンスも良いですし。
是非、店頭の豆で試作して、お客様にもご提案されてみてはいかがでしょうか。

大阪支店 酒井