ホンジュラスは中央アメリカ中部に位置し、西にグアテマラ、東にニカラグア、南にエルサルバドルに囲まれ、国全体でコーヒー生産が行われている中米1位の生産量(世界で5位)を誇るコーヒー大国です。コーヒー生産はGDPの5%、農業のみGDP では35%を占める国内でも基幹産業とされています。

2011/12年の生産量が700万キンタルあったものの、その後さび病の蔓延から2013/14年は400万キンタルと半減しましたが、国を挙げての復興が功を奏し2018/19年では900万キンタルの生産量に回復しました。一方、今年2019/20年クロップは700万キンタルと約20%以上の減産。この大きな原因は昨年の相場低迷に端を発した農園放棄によるものと言われており、また昨年・今年と肥料や農園管理を十分に行えていない農園も多く、疲弊している状況を反映しています。このような状況下では、スペシャルティコーヒーが農業を継続させていく唯一の希望と言われており、各輸出業者やICAFEが主体となり、品質向上に向けての指導が積極的に行われています。

国内のほとんどの地域でコーヒーが生産されているホンジュラスですが、ICAFE(Instituto Hondureño del Café)では、国内の山脈とカッピングプロファイルに沿って生産エリアを区分しており、コパン、オパラカ、モンテシージョ、コマヤグア、エル・パライーソ、アガルタと6つの地域に区分されています。



【COPAN(コパン)】
・コパン県、オコテペケ県、サンタバルバラ県中西部、レンピラ県中部に跨るエリア
・チョコレート系の甘いフレーバーとボディ感が特徴とされている
・主な収穫期:11月~3月

【OPALACA(オパラカ)】
・インティブカ県、レンピラ県北部、サンタバルバラ県南部
・繊細な酸の質とトロピカルフルーツやブドウ、ベリーなどフルーティなフレーバーが特徴
・主な収穫期:11月~2月

【MONTECILLOS(モンテシージョ)】
・ラパス県、インティブカ県北東部、コマヤグア県西部、サンタバルバラ県ヨロア湖西部
・イキイキと明るい酸の質、桃やオレンジのようなフレーバー、滑らかなボディ
・主な収穫期:12月~4月

【COMAYAGUA(コマヤグア)】
・コマヤグア県東部、フランシスコモラサン県南西部
・シトラス系の甘みのある酸・フレーバーが特徴。クリーミーなボディ。
・主な収穫期:12月~3月

【EL PARAISO(エル・パライーソ)】
・エル・パライーソ県、チョルテカ県東部、フランシスコモラサン県中東部、オランチョ県南端・西端
・柑橘系のフレーバーに柔らかなボディ感、甘いアロマが特徴
・主な収穫期:12月~2月

【AGALTA(アガルタ)】
・ヨロ県中部、フランシスコモラサン県北部、オランチョ県北部
・際立った酸の質とトロピカルフルーツ系のフレーバー、チョコやキャラメルの甘さ
・主な収穫期: 12月~3月

このような生産エリア区分となっていますが、このエリアの中の中に多くの山々が存在し、実際には各々の山ごとに農村や集落があり、上記の区分では推し測り切れない微気候・環境になっており、それぞれの小さな土地でも非常に多様性豊かなコーヒーが存在しています。

ワタルで買い付けている代表的な小規模エリアをまとめると、【ポッソ・ネグロ】【サンチアゴ・プリングラ】【チャグイテ】【サン・セバスチャン】【ラ・パス】【マルカラ/サンタ・アナ】【サンタバルバラ(山)】【エル・パライーソ】などのエリアがあります。
次回Vol.2以降では、上記の小規模エリアの特徴や概略をご案内できればと思っております。