こんにちは。瀬下です。中米のニュークロップ入船が始まり、各国のマイクロロットが順次販売再開となっております。今日は、特に取り扱い銘柄数の多いコスタリカにフォーカスし、代表的なコーヒー生産エリアの概要を改めてお伝えしていこうと思います。買い付け頂く際に少しでも参考になれば幸いです。

コスタリカの生産地は主に7つに分類されています。その中でもウエストバレー、セントラルバレー、タラスは小規模生産者によるマイクロミルのメッカとして知られ、弊社でもこの3つのエリアを中心にラインナップしています。今日は、この3つの生産エリア、ウエストバレー、セントラルバレー、タラスについて改めてご紹介をしていきたいと思います。

タラス
主なミル:ドン・マヨ、カンデリージャ、ドン・オスカル、ファラミ、ハーモニー、グラニートス・オルティス、ロス・アンヘレス、モンテコペイ、ラ・リアなど
コスタリカのコーヒー生産地の中でも、特に標高が高く、場所によっては2000mを超える農園も多く点在しています。他のエリアに比べて乾燥した気候が特徴で、乾季と雨季がはっきりしています。一方で、土壌は酸度の強い赤土土壌の為、石灰などで土壌のpHバランスを整える必要も多い。風味は標高を活かして酸が際立ちフレッシュで爽やかなフルーティーさが特徴になります。その為、ウォッシュドやホワイトハニーなどをベースに酸の特徴を活かしたり、複雑にする生産処理を用いる傾向が地域的にはあります。

セントラルバレー
主なミル:ブルマス、セロ・アルト、ハルディン・デ・アロマスなど
生産地の中でも、最も都市部にあるコーヒー生産エリアで、標高は高くても1500mほどであるものの肥沃な火山灰土壌が特徴のエリア。タラスに比べると湿度も中庸な分、厳しい気候にはなりにくいが、乾季にも雨が降る事があります。
首都に近いため、地価や人件費などが高騰してしまっており、土地を手放す農家も多い中、ブルマスやセロ・アルトでは、ゲイシャやブルボン、SL28など特徴的な品種を生産する事でコーヒー生産の維持を図る努力をしています。
カップは、ボディ感やチョコレート系の甘さの質に特徴があり、酸度はマイルドな傾向。また、タラスのコーヒーと区別するように、ナチュラルやハニープロセスへ特化してきた傾向が強い。

ウエストバレー
主なミル:エルバス、エルサル・デ・サルセロ、シュマバ、ヴィスタ・アル・バジェなど
セントラルバレーから北へ進んだエリアで、セントラル同様に火山系の肥沃な土壌環境で、スペシャルティは標高1500-1700mと元々牧草地などに転用されていた寒冷な土地でコーヒー生産が現在は行われています。
Cup of Excellenceでも優勝農園が多く、土壌の良さを存分に享受したフローラルで甘さに秀でたカップが特徴的です。ビジャサルチ種は、ウエストバレーのサルチ村が発祥の地で、ウエストバレーで土着性の良いメインバラエティとして多く生産されています。ウエストバレーも、セントラル同様にハニープロセスが主流ですが、アナエロビックファーメンテーションが始まった土地でもありますね。

上記のような基本的な土地の特徴を背景に、各生産者が自身の強みや磨いた技術を以て、他国に比べても、生産者らしさの出るクラフト的なコーヒー生産がコスタリカコーヒーの魅力のように感じます。

今年は、ネット販売だけでも17銘柄ラインナップする予定ではございますので、迷った際には、生産エリアの特徴と、生産者の狙いなどからお好みを見つけて頂ければ幸いです。

また、過去のブログ記事としまして『コスタリカ マイクロミル革命』という記事を弊社酒井がアップしております。コスタリカのスペシャルティコーヒーの変遷を上手にまとめてありますので、こちらも是非ご覧ください。