日々のワタル WATARU DAYS

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2014-06-23T13:25:17

コスタリカ マイクロミル革命

大阪支店の酒井です。
明日24日の深夜は、コスタリカCOEですね。
審査会に参加した者として、一人静かにテンションがあがってます。

さて、前回の記事から3週間ほどたってしまいましたが、続編を。
(前回の記事はこちら)
先日の記事で「モンテコペイ・マイクロミル」の「マイクロミル」って何?
と思われた方もいらっしゃたかもしれません。

今日は、コスタリカのコーヒー産業を変貌させ、周辺の国にもその影響を及ぼしている、
「コスタリカ・マイクロミル革命」についてお話したいと思います。

先日、私はコスタリカCOE2014は「モンテコペイ・マイクロミル」が優勝と書きました。
ただ、COEのホームページでは、優勝農園はLa Mesaとなっています。
実は、コスタリカでは、一つの家族や親類または生産者グループが運営する「マイクロミル」という施設が、
広まっており、弊社ではその「マイクロミル」を商品名にしていることが多いです。

「モンテコペイ・マイクロミル」は、エンリケ・ナバーロ家のコーヒーを加工処理する施設(ウェットミル・乾燥場)です。 彼らの所有する農園の一つが優勝したLa Mesa(ラ・メサ)です。
農園と言っても数ヘクタール程度の小さなものが大半です。
話がごちゃごちゃしていますが、「マイクロミル」とは、つまり「小さいウェットミル」を指します。
(中にはドライミル(脱殻・選別・袋詰め設備)も備えているマイクロミルもあります)

<マイクロミル革命>とは?

『マイクロミル革命』は、現地でMicro Mill Revolutionとよばれているのを和訳した言葉ですが、
なぜマイクロミルが「革命」なのか、その背景から。。。

 

コスタリカのコーヒー産業の一般的な流通では、生産者は農協や集荷業者、輸出業者に「コーヒーチェリー」を売ります。 農協や輸出業者は、集めたチェリーを自社の巨大なウェットミルに持ち込み、水洗処理を行います。
(同じ中米でも国によって一般的な流通形態は異なります)

このルートでは、生産者は収穫後、すぐに、手軽に収入が入りますが、
チェリーの買取価格はあまり高くなく、収穫労働者への賃金を払うと手元にほとんど収入が残らないこともあるそうです。 また、チェリーの品質や細かい標高の違いによる品質の違いは買取価格にはあまり考慮されないようです。

そういった中で、特に標高の高い農園の生産者や在来品種(ブルボン、ティピカなど)の生産者は、
生産量も少ないため、不利な状況に置かれていました。
コスタリカは、中米の中では人件費の高い国の一つですから、
そうした農家・農園はせっかくのポテンシャルが全く活かされず、むしろ経営が危ぶまれる状況に置かれていました。

そこで生まれたのが「マイクロミル革命」。
上記のような状況を打開するために、生産者自身(家族や親族、グループ)で、小規模なウェットミルを作り、
栽培から水洗処理、乾燥まで一貫管理して、高品質なコーヒーを高い価格で売ろうという「マイクロミル」という考え方が 2000年代前半に生まれました。
ウェストバレーのエルバスやエルサル、セントラルバレーのブルマス、タラスのカンデリージャやドンマヨなどが、
「マイクロミル」のパイオニア達です。

マイクロミルでは、従来の大規模ミルにはなかった
「ハニーコーヒー」(パルプドナチュラル)という新しい生産処理が採用され、
新しいコスタリカ・コーヒーの顔として、各消費国のバイヤーにすっかり浸透しています。

単に一風変わったものを取り入れるだけでなく、
アフリカンベッドやビニールハウスパティオなど、より良い乾燥のための施設を取り入れたり、
サンプルロースターを導入して自らカッピング技術を習得し、
品質管理や生産方法のフィードバックを行うなど、
品質ベースの綿密な商品作りが行われるようになりました。

アフリカンベッド

ビニールハウスパティオ

サンプルロースター

2000年代は、日本国内では2003年にSCAJが誕生するなど、
まさにスペシャルティコーヒーが消費国で認知され伸び始めた時代。
日本でも世界でも、品質の高いコーヒーを求めるロースター、自家焙煎店、消費者が増え、
2007年にはコスタリカでCOEが初開催され、この流れの中で「マイクロミル」の数は増えていきました。

パイオニアたちに続く「マイクロミル第2世代」は、モンテブリサス、ファラミ、そしてモンテコペイなど、
より規模が小さくなり、「マイクロロット」に特化してきています。
(もちろんパイオニア達も進化を続けており、例えば2012年の優勝はブルマス・マイクロミルでした)

『マイクロロット』とは

「マイクロロット」とは農園・品種・生産処理(ナチュラル・ハニー・ウォッシュ)を特定した少量のロットです。
(従来の取引単位が20トン近いコンテナ単位だったのに比較して、少量という意味です)

品種は、ビジャロボス(ティピカ系)やビジャサルチ(ブルボン系)などのコスタリカ独自の品種や、
標高2000mに近い農園ではカトゥアイが適しているようです。ゲイシャやケニアなども実験・採用されています。
最近では、ダブルウォッシュやブラックハニー、など、様々な生産処理方法が他国から採用されたり、開発され、
コスタリカ1か国だけでも、様々な風味が楽しめるようになってきました。

左からブラックハニー、レッドハニー、イエローハニー、ウォッシュドのパーチメント

しかし、一口に「マイクロミル」と言っても、そこにはたくさんの壁が有ります。
まず、生産処理の機械の購入費、ミルの建設費、生産処理機械の操作技術、乾燥技術・・・。
また、自分で生産処理するため、お金が手に入るのは、コーヒーを輸出するとき。
つまり、収穫作業者への賃金や生産にかかる様々なコストも前もってファイナンス(銀行から融資)しなければなりません。
そして、品質。今やコスタリカ国内には140以上のマイクロミルがあり、その中にも競争があります。
最後の生豆の品質をどう高めるのか。実験や研究も必要ですし、カッピングを学ばないといけません。

今回優勝した「モンテコペイ・マイクロミル」のエンリケ・ナバーロ氏も、彼の父は地元組合の古参組合員。
しかし、ただチェリーを農協に売っていたのでは、折角標高の高い農園のチェリーも高く評価されず。
紆余曲折あり、マイクロミルを立ち上げようとするも、資金がないために計画もなかなか進まず。
ようやく中古の機械を代金後払いで譲ってもらい、マイクロミルをスタートさせました。
今は新しい機械がおいてありますが、機械のサイズは私の知る限り一番コンパクトではないかと思います。
しかし、その小さいマシンは隅々まで掃除が行き届いていました。

受賞発表の前、私は偶然にも息子のエンリケ君と話す機会があり、
和やかな発表会場の雰囲気の中、
彼は「ちょっと緊張している。もうすぐ、この1年間の家族の努力の結果が発表されるから⋯」

そして、優勝した時のお父さんのガッツポーズ!!!

改めて、COE優勝おめでとうございます!!!
明日のオークション、落札価格が楽しみですね!

 

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