日々のワタル WATARU DAYS

  • ワタルの日々

2020-11-02T15:11:10

ホンジュラスのコーヒー生産地域まとめ Vol.4

こんにちは。瀬下です。ホンジュラスの小規模生産エリアのご案内も今回で最終回として、3つのエリアをご紹介できればと思います。
今回は、秘境の地ともいえる【ポッソネグロ】【サンチアゴ・デ・プリングラ】【チャギーテ】の3つのエリア。
3つに共通するのはコマヤグア、ラパス、インティブカの3県に跨るモンテシージョ山脈に沿ったエリアという事ですが、それぞれの山が異なり、少し異なる気候を有しています。また、ホンジュラスの中でも取り分け高い標高のエリアであり、近年非常に人気の高い生産エリアとなっています。
またチャギーテは、近年新たに開拓されたコーヒー生産エリアで、高いポテンシャルを持った注目のエリアでもあります。
これらのエリアはホンジュラスのスペシャルティコーヒーの中でも知って頂きたいエリアでもあります。


【ポッソ・ネグロ】
・インティブカ県北東部マサグアラ近郊の村。ラ・パス県とインティブカ県の境が谷あいとなっており、西側の山間部に位置しています。北東向きの斜面を向き、ラ・パス県側にサンチアゴ・プリングラとは県を跨いで向き合うような形。気温が18-25℃と涼しく、標高が高く1700m~1800mの高地に農園が点在しています。
・ICAFEの区分ではモンテシージョエリアに区分され、チャグイテやサンチアゴ・プリングラなどモンテシージョ山脈南部の山ごとに隣接したエリアですが、それぞれ土壌や日照条件、山の向きや気候条件がやや異なる。
・雨季乾季がはっきりしており、カラッと乾燥した土地で、日当たりが非常に良い。
・収穫期は1-3月頃で4月に開花
・濃厚な甘さとフルーティで強度のあるフレーバーが特徴的に感じます。


(主な生産者)
ウィルメル・グラウ(モンテシージョ農園)、セルバンド・ラミレス(エル・セドロ農園)、エルナン・ゴメス(エル・ピノ農園)アントニオ・ドミンゲス(ラス・モラス農園)など

【サンチアゴ・プリングラ】
・ラパス県北部のコーヒー生産地。元々マルカラコーヒーブランドとして取り扱われていたが(マルカラへは車で1時間半ほどかかる)、マルカラとは異なり、標高1500m~1700mの高地エリアでコーヒーが生産されている。プリングラの町自体は標高1000mほどだが、周辺の山でコーヒーが生産されています。
・ポッソネグロ同様にIHCAFEの区分ではモンテシージョエリアに区分されていますが、土壌が肥沃で、木々が青々としている。北のモンテシージョ山脈からの風の流れを受ける。
・収穫期は1-3月頃で4月に開花
・明確な果実感がありイキイキと明るい酸の質・フレーバーが特徴的。


(主な生産者)
オティリオ・エルナンデス(バーニャデロス農園)、カタリーニョ・バスケス(インテグラル・エル・シプレス農園)、ハビエル・サントス(アグアカテ農園)、テオドロ・アマヤ(ロス・マンサノス農園)イスマエル・ヘルナンデス(エル・デュラツノ農園)、カルロス・エルナンデス(ラ・フロール農園)など

【チャギーテ】
・ラパス県北端、サンチアゴプリングラを北上した秘境地で、コマヤグア県都の境にあるモンテシージョ山脈の南山麓にある集落です。元々は豆やトウモロコシ、そして牧草地などだったが、近年コーヒーの生産が本格的に行われています。6-7年前は何もなかったが、スペシャルティコーヒーを生産するプロジェクトがあり、この地でコーヒー生産が始まりました。夜間は12℃まで冷え込み、取り扱いエリアの中でも最も標高の高いエリアで、1800-2000m付近でコーヒーが生産されています。気候はやや乾燥しており、過酷な環境、そして新しい土地(土が固く農業向きになりきっていない)という事もあり、環境に耐えられるように耐性の強いIH90などをまずは植えています。
・収穫期は1-3月頃で4月に開花
・透明感がありジューシーな風味と複雑でフルーティなフレーバーが特徴的


(主な生産者)
ヘンリー・ウイリアム(ロス・ノガレス農園)、イシドロ・ロドリゲス(エル・モナルカ農園)、エウセビオ・サントス(ラ・フォルトゥーナ農園)、マルティン・ガレアス(パトリアルカ農園)など

【まとめ】
この他にもエル・パライソやエルイン・ミエリッヒのセロ・アスールなども取り扱っていますが、今期NETにて取り扱っているエリアは網羅できているかと思います。ホンジュラスのスペシャルティコーヒーをコーディネートしてくれているロニーからは、山が変われば気候条件や土壌、風味の特徴が変わってくるもので、一見近しいとされるエリアにおいても、それぞれ魅力的な異なるキャラクターを持っており、ホンジュラスの多様性を感じてもらえるはず。と現在我々が開拓してきた小規模な生産エリアの魅力やマイクロクライメットを教えてくれました。

産地を訪れてみると各山々にコーヒー生産者たちのコミュニティがあり、スペシャルティコーヒーの生産を通して、農園だけでなく地域全体が活性化する大きなインパクトを持っていることが良く見えてきます。中米1位のコーヒー生産大国だからこそ、コーヒーの取引が転換する事はとても大きな出来事で、今まで日の目を見なかった秘境地や小さな村々が、その中心となっている様子はホンジュラスの魅力の1つでもあります。

ひとまず小規模エリアのご紹介は今回で最終となりますが、ホンジュラスの記事としてあと2つほど記事をアップする予定です。
こちらも楽しみにしていただけましたら幸いです。

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