SPECIALTY COFFEE WATARU

8月20日～25日にかけて、ブルンジで第一回目のＣＯＥが開催されました。本年は、223ロットがエントリーし、国際審査に残ったのは60ロット。最終的に17ロットがCup of Excellence を受賞し、内3ロットがプレジデンシャルとなりました。

Cup of Excellenceの審査会では、国内予選の後、選ばられたロットが国際審査会にナショナルウイナーとして選出されます。
国際審査では、Round1でナショナルウイナーすべてのロットをカップテストを行います。８５点を超えたロットのみRound2に進出します。
Round2で同様に８５点を超えたロットがCup of Exellence を受賞します。
Round3としてＴＯＰ１０のコーヒーのみをカッピングし、コーヒーの素晴らしさを再確認します。

Round 1

国内審査を通過した６０ロット（つまりナショナルウイナー）をジャッジし、「13ロット」がポテトフレーバー（１フェノール含む）で失格となりました。DRYの段階で高評価の期待される香りがあっても、他のテーブルで強いポテトフレーバーが数カップ出た事により失格となるロットもあり、これによって素晴らしいコーヒーも採点される事無く失格になっていきます。ポテトフレーバーが全体にうっすら感じられるものや、突発的に１カップだけ強いものが検出されたりと、検出のされ方も様々でした。

Round 2

ラウンド１を85点以上で通過した「33 ロット」を再テスト。このラウンドでもポテトフレーバーが出て、数ロットが失格となりました。ラウンド２になると、素晴らしいコーヒーばかりでカッピングをしていてもいろいろなフレーバーを楽しむことができます。「カップオブエクセレンス」に選ばれたコーヒーは何十人の国内外の審査員が何度もカッピングをして、審査を通過した選ばれしコーヒー、ということになります。

Round 3

どの開催国でもＣＯＥの審査プログラムは、ＣＯＥを受賞が決定したロットの内、ＴＯＰ10のみを再びカッピングします。１セッションで上位10ロットをカッピングするということは、その国のその年の最高の10のコーヒーだけを一度にカッピングするということ。

本年は、最終「17ロット」がCup of Excellence受賞、プレジデンシャル（90点以上）3ロットという結果となりました。

ポテトフレーバーについて

スペシャルティコーヒーにはフローラル、柑橘系、チョコレート・・・・たくさんの素晴らしいフレーバーがありますが、中には好ましくないフレーバーが発生してしまうことがあります。

代表的なものが薬品臭の「フェノール」ヨードフォルム臭の「リヤード」そして、この「ポテトフレーバー」です。

生のジャガイモを切った時の特有の香り・味をイメージすると分かりやすいです。不快に感じない場合もありますが、コーヒーの良いフレーバーを阻害し質感も悪く感じられます。しかし、フレーバーを重視するスペシャルティコーヒーにとっては、ないほうが良いですね。

ブルンジ・ルワンダ地域の1つのポイントでもあるポテトフレーバーの原因については、諸説あるようです。

一つは 大気中のバクテリアが原因として考えられており、菌が熟したチェリーの果肉の隙間に入り込み生産処理工程でおこる酵素反応

コーヒー以外でもポテトフレーバーのある作物があるとか

二つ目はこの地域一帯を飛び交う虫が果肉？果汁を食べる事でおこるとする原因、 紫外線説というのあるとか・・・

ポテトフレーバーは全体にあるもの、突発的にあるもの、一部の部分だけ連続して出るなど、発見されるタイミングも様々です。 私見ですが、虫の飛来よ予防する、収穫のタイミングを揃える、収穫後から生産処理工程を素早く行う事で発生率を抑える事が可能かもしれません。

また、ウォッシングステーションにおけるロット作りの際、徹底したポテトフレーバーチェックを行う事で、混入率の改善が図られるのではないでしょうか。

ブルンジコーヒー

ブルンジのコーヒーはイメージしていたよりもジューシーでフルーツ感があり、シトリックな酸が綺麗に感じられました。持続する甘さも印象的でした。また強烈なポテトフレーバーにも度々遭遇した事で、コーヒー栽培の難しさを身近に感じる事ができました。

ブルンジはルワンダに比べ認知度は低いですが、今後さらに伸びていく可能性を秘めており、日本ではまだ知名度も低い分注目を集めるオリジンとなりそうです。

１０月には、ブルンジＣＯＥコーヒーのオープンカッピングを予定しています。ぜひ、ご参加いただき、ブルンジのコーヒーをお試しください。

大阪支店　阪口