- 駐在員レポート
2012-09-24T15:55:21
エクアドル / ペルー視察報告書 Vol.1
今回の視察は、デリカフェのアンデス・アマゾンコーヒープロジェクトにおいて、エクアドル/ペルーというスペシャルティコーヒー新興国の可能性を探る視察である。
~エクアドル共和国概要~
・首都-キト.コロンビアとペルーに面する。
・ガラパゴス諸島、赤道で有名
・国土面積283,560 ㎢、人口約13.6 百万人
・2011 年度輸出量-1,546,338 袋(/60kg)
・生産比率-アラビカ70%、ロブスタ30%
・大平洋岸Manabi が主要産地(約50%生産)
・ロブスタは国土中央/北東部の低地で主に栽培
・主な収穫期は5-8 月
・栽培標高は約800~1,900masl
・主なスペシャルティコーヒー産地は南部Loja,El Oro,Zamora
・2012 年1-6 月の日本向け輸出内訳
インスタント約8,300 袋、有機水洗約1,400 袋
インスタントは台湾900 袋、韓国1,600 袋、中国600 袋
8月18日(水)
早朝よりキト市街地にある国内焼豆卸Café Galletti のラボにて、カッピング。代表のEna Galletti 女史はコロンビア国境の北部エリア生産者のコーヒーを3 年前から目を付け、技術指導など支援を行っています。ここでは北部エリア(Pichincha 県)に絞ったアイテムをカッピング。北部ではカトゥーラ/カスティージョがメイン品種で、ブルボン/ティピカも少量見受けられました。
スペシャルティ取組中だけあって、個性的なコーヒーが幾つか見られました。中でも印象的だった5Lotは、clean cup juicyMF tropical fruits lively fin.であった。濃厚感と明るさを同時に感じられるユニークさを持つ為、エクアドルの印象が一気に変わりました。未だ活発な動きは無いが、北部は今後注目の産地になっていくと予想します。
8月19日(木)
この日唯一の訪問先、南部の農協連合Fapecafes へ。
彼等はコーヒーだけでなくグアバ、バナナ、蜂蜜も扱っており、コンベンショナルから有機/FLO まで手掛けています。取扱い地域及び参加組合は以下の通り。
・Loja(PROCAP,PROCAFEQ,APECAEL)
・El Oro(APECAM)
・Zamora Chinchipe(ACRIM,APECAP,APEOSAE)
構成員は1,650 農家、うち1,250 農園が有機資格所持。2011 年総生産量は約13,500 袋、うち60%が有機FLO として輸出。農家・農協によりウェットパーチメント持込みであったり、乾燥済パーチメントであったりと、規制は設けていません。カッピングによりA、AA、AAA とクラス分けを行っています。
8月20日(金)
Zamora-Chinchipe 県Palanda の農協で2001 年に設立されたAPECAPを訪問しました。ここ3 年構成員の農園全体で植え替え・選定を進めています。有機を単独で欧米に輸出しており、FLO はFapecafes が管理しています。
Palanda は国定公園近くの湿林地帯でティピカ/ブルボン/カトゥーラ を主に栽培、豊かなマイクロ気候が特徴的で、バランスの取れたカップも注目を集め始めています。
この地域は4-10 月が収穫時期。4-5 月は1,000m 以下の低地が主で、カッピング及び輸出には9,10 月がおすすめとの事。また、今後、スペシャルティ生産に特化し、本当の自立・サスティナビリティを目指していきたいと伺いました。勿論肥料代や水の確保、精製技術(設備)向上など金銭負担は大きいが、持続可能な生産を目指すには一番の近道と考えている様子。
カッピングは、25 アイテムをカッピングし、主にZumba とPalanda 地区。個人的には1,300m のものでも酸の複雑さやクリーンカップ・バランスを感じられたので、この地域のポテンシャルの高さを充分に感じる事が出来ました。ただし、焙煎不一致や各々が好きなようにカッピングしていた為、まずはプロトコル設定する必要がありそうです。
高評価及びポテンシャル感じたサンプルは、25Lot中7Lot。Zumba もPalanda もclean cup,vivid acidity,crisp MF が基本にあり、それぞれのエリアでキャラクターが明確に異なり飲みごたえのあるテーブルでした。