SPECIALTY COFFEE WATARU

8月23 日（月）
23日より本格的にペルーの視察を行いました。
まずは、ペルーCQI(Central Café y Cacao)にてカッピング。このオフィスではバリスタトレーニングやQ グレーディング試験も実施されています。
ここでのカッピングで高評価及び伸びしろを感じたロットは、6Lot。エクアドルと異なり、多くのロットから酸のキレとスパイスを感じます。

エクアドルから１ヶ月収穫期が遅い為、精製して間もないロットが多く、かなりフレッシュな状態でした。フレッシュ且つ適切な期間熟成させたロットをカッピングするには9～10 月が望ましいと思われました。

8月24日（火）

早朝クスコへフライト。標高3,400ｍの高地なので高山病の危険性もあります。空港から、目的地のQuillabamba まで5 時間半の移動。道中ハプニングはあったものの、何とか日没前に目的地Quillabamba に到着しました。
さっそく、その日のうちに輸出業者AICASA 訪問しカッピングを行いました。1988 年設立の家族経営でコンベンショナル・有機・RFA を取り扱い、年間取扱量は80,000～100,000 キンタル。
Quillabamba からLima までトラックで運搬すると、ノンストップでも最低3 日はかかりますが、Quillabamba 及び近隣農園から買付けたパーチメントはLima の工場にて最終精製が行われます。
主要顧客はドイツ・アメリカ。日本はシアトルズベストが少量購入しています。買付けている農家は主にティピカ、ブルボンを栽培しているが、カティモールも混ざっている為、今後選択収穫していかなければならないのが課題です。セパレーションを厳しく行えば、８５点以上の可能性も見えるのではないでしょうか。

8月25日（水）

Quillabamba から1 時間ほど北上した山中にQuellouno という町があり、そこのJose Olaya 農協を訪問。輸出業者ライセンス保有。FLO/JAS 認証所有の農協。
46 年前に設立され、メンバーは465 軒。年間25,000 キンタルの生産量がある。現在精製は、Lima のEcom ドライミルに委託しており、固定客はついていない。聞けばスペシャルティコーヒーの取り組みを始めており、倉庫には生産者・農園毎にステッカーが貼られた袋が積み上げられていた。
当農協では2 名のQ グレーダーが品質管理を行ており、焙煎～カッピングまで清潔で
一貫したプロトコルの元行われていたので非常に信頼できる印象を受けました。ここでは管理能力の高さとエリアのポテンシャルの高さがはっきりと分かり、85 点以上がいくつも出ました。この農協取扱いコーヒーはとても興味深いものがありました。

カッピング後、近くの農園を見学させてもらえる事に。
完熟チェリーを吟味して収穫されている様子がはっきりと分かります。脱果肉後はタンクで発酵、水路でミューシレージ洗い流し＋フローター選別。その後パティオ・アフリカンベッドで乾燥。1つ1つの工程を非常に丁寧に行っていたことが、先ほどのカップをさらに裏付けるものとなりました。

8月26 日（木）

Quillabamba のEcom(Bioazul 社)パーチメント集荷場にてカッピング。
Quillabamba からLma まで3 日かかるので、その間の激しい気温差直接パーチメントに影響します。この運搬の問題がペルーのコマーシャル商品の不安定さを招いているようでした。約15 サンプルカッピングしましたが、85 点に届くロットは無く、同時にセパレーションが甘くクエーカー混入が目立った事が印象的でした。
焙煎も表面だけが焼けている状態だった為、CQI 等でロースティング講習受ける必要も感じられます。
これらがクリア出来ればスペシャルティになれるであろうロットは2,3 見受けられました。

 
おわりに
まだまだ、発展途上な点は否めませんが、エクアドル/ペルーの秘めたる可能性は大きく、それを肌で感じられた事がこの視察での一番の収穫でした。今後も目が離せない生産国となりそうです。