日々のワタル WATARU DAYS

  • 海外出張レポート

2015-12-27T01:33:52

幻のコーヒーを求めてペルーへ(2)

前回は、ペルーには、隠れたトップスペシャルティ生産者がいる!
というお話をしました。今回は、その続きです。
2009年、2010年にアメリカの賞をとったペルーのトップスペシャルティコーヒーの生産者Wilson Scaticona氏の農園があるのは、ペルー南部のボリビアとの国境付近、サンディア渓谷です。このエリアは、先住民のアイマラ族が多く暮らしており、生産者はみんな小規模です。彼らのコーヒー豆を集荷、輸出しているのが地元の農協CECOVASAです。
世界(日本)のスペシャルティマーケットに通用するペルーのトップクラスのコーヒーをCECOVASAを通じて探そう!
というわけで、2015年8月、松元と酒井でCECOVASAへ訪問してきました。


<CECOVASAへの旅>
ペルーの国土は日本の3倍以上。首都リマは太平洋に面していますが、セコバサのコーヒーが採れるエリアは、広大な国土の隅っこでアンデス山脈の反対側、アマゾン川上流域にあります。
まず、首都リマから、チチカカ湖の近くの都市フリアカまで飛行機で。このフリアカ市はなんと標高3800mもあります。富士山より高い場所で、心配しないといけないのは高山病です。幸い松元が、「食べる酸素」を少しもっていて助かりましたが、高山病対策は、とにかく動作をゆっくり、食事も控えめに、コカ茶を飲むように、だそうです。
しかし、フリアカ市はまだ序の口。ここから、アンデス山脈の標高4700mの峠を越えて、最後は標高1000mほどのプティナプンコの町までの10時間以上のドライブです。

海抜4000m近くなのに平らな土地が地平線の先まで広がるアルティプラノの風景の奥には、雪をかぶった山脈。雲が近くて、空の青さも深い不思議な風景です。

4707mの最高地点の付近は、草木もほとんど生えず、寒く、そして空気も薄い!


しかし、そんな環境の中でもアルパカやリャマといった動物を飼って暮らす人々がおり、金の鉱山があったりします。


その後は、崖を縫うような細い道をゆっくり下っていきます。伝統的な段々畑が美しい農村地帯。日が暮れたころにようやくサンディアの町に到着しました。やっと宿に到着したのかと思ったら、いやいや、ここからまだ4時間先のところに今夜の宿はあるということで、最後は夜中の12時にやっと宿のあるプティナプンコへ到着。標高差4000m、崖っぷちの悪路で最後は雨まで降って、12時間運転してくれた運転手には、感謝感謝です。


(今回滞在したプティナプンコは上の地図でサン・フアン・デ・オロの少し北にあります)

<幻のコーヒーは、本当に幻に??>
翌日は、CECOVASAプティナプンコ事務所の品質管理担当リゴベルトさん(写真・右から2番目)がアテンドしてくれて、早速農園訪問。
しかし、ここまで来てもまだなお農園に行くのに一苦労! というのは農園はこのエリアの森の中にバラバラに点在していて、車の道はなく、徒歩でないと行けないところがほとんどなのだとか。

バイクと徒歩で生産者を訪ねます。2件ほど訪問させてもらいましたが、森の中に農園がポツリポツリとある感じです。在来のティピカやブルボンなど昔からの品種があり、丁寧に作り込まれた木製のキャナルや屋根付きの乾燥場など、昔ながらの丁寧な仕事ぶりがうかがえます。
コーヒーを出荷するときは、山の中の家からロバの背中や一輪車で細い道を通って運ぶのだそうで、農協の倉庫まで運ばれることを考えただけでも大変な労力です。(その後、トラックでアンデス山脈の4700m峠を越えて、最後は1500km離れたリマの港まで…)

 
リゴベルトさんは、Qグレーダー・ライセンスも持っています。カッパーとして彼の意見を聞いたところ、賞を獲ったWilson農園は標高1500mほどで、彼だけが特別優れた条件を持っているわけじゃないのだそうです。この地域には標高2000mくらいまでコーヒー農園があり、松元が味わったゲイシャのようなコーヒーを作る生産者も何人かいるとのことです。はっきりしませんが、品種が特殊なのではないかと考えられています。他のバイヤーは、この品種はゲイシャではないかという人もいるようです。
(※先祖から受け継いできた木を代々種から育ててきたので、ティピカ、ブルボンと言いますが同定された品種というわけではありません。樹形や葉の量をみれば、古い品種かどうかはすぐ分かりますが、その中には、ゲイシャのような優れたカップの品種が隠れている可能性があります)
 しかし、現在、一番の問題は、さび病で、農薬を一切使わないこの地の生産者達の収穫量が激減してしまっています。また、コカの葉の栽培もおこなわれていて(栽培自体は合法ですが、コカインの密造にも使われるため、買い取り価格が高い)コーヒーを止めてしまう生産者もいるとの話でした。全体では、さび病の前の半分にまで、生産量が落ちてしまっているそうで、この状態が続けば、松元だけが知っている2009年の幻のスペシャルティコーヒーが、本当に幻になくなってしまうかもしれません。。。

<そして、いよいよカッピング>
 ペルーでは高品質の豆をマイクロロットで管理・販売している業者はまだまだ少ないようですが、幸いこのCECOVASAは、リゴベルトさんの他にもう1人、2人のQグレーダーがおり、マイクロロットの管理をしっかりやっています。彼らは毎年、収穫期に毎月内部コンテストを開催して、その時は1週間で300サンプル(!)をカッピング評価するのだそうですが、カッピングを通じて良質なものとそうでないものを分類して、良い品質のものをスペシャルティ市場に売り込んでいます。その上、特別に優れた品質のものは、特級品として他の生産者の豆と混ぜずに販売しています。
この取り組みの成果は、公的にも現れていて、現にペルー国内のコーヒー品評会”Concrusos Nacionales de Cafés de Calidad”では、CECOVASAが出品したコーヒーがなんと11回中7回も優勝しています。このエリアがもつ“ポテンシャルの高さ”と、“高品質の豆を選び抜く目”がなければ、こんな快挙は成し遂げられません。
(単純比較はできませんが、グアテマラのエルインヘルト農園は2006年以降だと10回中7回優勝です)

この日のカッピングでは、「ゲイシャ!」とまでは行きませんが、フローラル感の素晴らしいコーヒーが見つかりました。答えを聞くと、やはり選りすぐりの単一生産者のロットでした。素晴らしいポテンシャルの一面を垣間見た気がしました。
翌日も別のロットをカッピングしましたが、こちらも良いカップでした。数多くの生産者・マイクロロットの中で、ちゃんと優れたものを選び出してくる2人のQグレーダーの腕にも信頼感があります。
最終的には、どのロットもあまりに数量が少なくそれだけでロットにすることはできないということで、今年も良かったロットを混ぜて買い付けることになりました。
今の予定では来年3月頃には入荷する見通しです。さび病を克服すれば、将来的にはさらに良いロットが見つかると思います。
そして、幻のコーヒーに出会い、買い付けできるように。。。

<おまけ>

このエリアに住むトゥンキという赤い鳥。ペルーの象徴的な鳥の一つです。
(野鳥を撮るにはカメラのキャパシティが小さすぎて、スイマセン、これが限界でした)


アンデス山脈と言えば、コンドル。翼を広げたら2mくらい? 迫力があります。(道中の動物園にて)


最後にもう一度、癒し動物アルパカ。セコバサのコーヒーはアルパカちゃんの横を通って日本に来ます。

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