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土壌改良ってなんだ?

こんにちは。ワタル瀬下です。
農園の紹介をしていると良く耳にする『土壌改良』という単語。
現在、中米各国では収穫を終えて、来クロップに向けた準備がされるシーズンですので改めて、土壌改良についてブログを書かせて頂きました。

昨年、ニカラグアやコスタリカへ訪問した際に、生産者からこんな話がありました。

~ニカラグア ラ・コパ・デ・カサブランカ セルヒオさん~ 農園情報はコチラ
『ラ・コパの土壌は、やや酸性傾向なので、石灰を撒いている。』

~コスタリカ タラス地区 ドン・オスカル・ミル アレハンドロさん~ 農園情報はコチラ
『農園の土壌分析をした際に、この地の土壌はカリウムの含有量が多く、今まで不足していたマグネシウムを加えることで土壌のバランスを整え、3年目にようやく大きな成果がありました。』

さて、この2つの農園では、具体的に何が行われているのでしょうか。
コーヒーのみならず、植物の栽培における基礎を振り返ってみたいと思います。

植物の栽培の基礎は、当たり前ですが光と水と空気と肥料です。光・水・空気(二酸化炭素)は、光合成に必要な要素。肥料は、生長に不可欠な養分となります。

この肥料の三大要素とされるのが『窒素』『リン酸』『カリウム』、この他に『マグネシウム』『カルシウム』を加え五大要素とも言われています。これらは、それぞれに役割を持ち、これらのバランスが植物の生長を大きく左右します。

『窒素』…葉肥とも呼ばれ、植物を成長させる役割を持ちます。
→多すぎると葉が軟弱になり病害を受けやすく、少なすぎると生育が悪くなります。

『リン酸』…花肥、実肥とも呼ばれ、開花や結実に不可欠な要素です。
→多すぎるとマグネシウムや鉄、亜鉛が欠乏しやすく、少ないと発育不良や遅れ、子実の収量や品質が悪くなります。

『カリウム』…根肥と呼ばれる通り、根や茎の生育に寄与します。
→植物にとっての重要なデンプンや糖を作る化学反応は、カリウムなしでは行えないため、補酵素と言える役割を担っています。
→水溶性で流亡しやすく、少ないと植物の成熟の遅れや最悪の場合、枯死や落葉が見られます。また、カリウムとマグネシウム・カルシウムは、拮抗関係がある為、カリウム過多になるとマグネシウムやカルシウムの吸収を妨げます。

『マグネシウム』…苦土(くど)とも呼ばれ、葉緑素の主成分として、光合成に大きく影響します。
→リン酸の吸収・運搬に大きく影響して、少なくなると光合成が減り、糖・デンプンが少なくなり発育不良が起こります。

『カルシウム』…主に土壌のpHを調整する働きがあります。土壌は酸性に傾きやすい。
→適正なpHを維持する事で、土壌中の微生物や菌を増やし発育に寄与します。

長くなってしまいましたが、ここで初めの内容に戻りますと

~ニカラグア ラ・コパ・デ・カサブランカ セルヒオさん~
『ラ・コパの土壌は、やや酸性傾向なので、石灰を撒いている。』
・・・これは、土壌中のpHの調整をすること。また、土壌中のカリウム・マグネシウム・カルシウムのバランスをリバランスしている事が分ります。酸性土壌だった為に微生物の働きが抑制され、生育が安定していなかったことが伺えます。また、これら3つの要素は、それぞれ水に溶けやすい性質なので、肥料を撒く時期や回数など、経験の必要な土壌改良という事がわかりますね。

~コスタリカ タラス地区 ドン・オスカル・ミル アレハンドロさん~
『農園の土壌分析をした際に、この地の土壌はカリウムの含有量が多く、今まで不足していたマグネシウムを加えることで土壌のバランスを整え、3年目にようやく大きな成果がありました。』
・・・こちらも拮抗関係にあるカリウムとマグネシウムのバランスを整えています。マグネシウムが少なかったために、光合成の減少、リン酸の吸収・運搬が上手くいかず、リバランスによって開花・結実を改善したことが分ります。

普段、何げなくご紹介している『土壌改良』『土壌管理』という言葉ですが、各農園の微気候に対して最も良い土壌を作るべく、農園では1年中、改良・維持・管理がなされています。
是非、農園情報で『土壌改良』という言葉を見かけたときは、生産者の費やした時間の尊さや、情熱を感じて下さい。