- 駐在員レポート
2014-12-31T02:26:38
収穫体験記（３）
さて、6時から収穫作業を始めて２時間ほど。
だんだん日が昇り、暑くなってきます。カッパを着ていると尚更。
日が昇ってきて困るのは、日陰と日向で、同じ赤紫色の見え方が違うこと。
うーん、微妙な色の違いがむつかしい。集中力を切らすと、赤が薄いのばかり取ってしまいます。
リーダーが、「ピントンはとるなよー、熟したのだけだぞー」と大声で言って回っています。
ピントンというのは、未熟と完熟の間、パッと見赤いけど、ヘタに近いところが白っぽい実のことです。
これは次回の収穫の時までに完熟するので、残しておかないとダメ。
カゴ半分くらいになると、結構腰にキます…。低い枝はしゃがんで収穫したりするので。
そんなこんなで、やっと1カフエラ弱、取れたかな？ で、カゴの実を袋に移します。
このとき時間はもう9時を回ったくらい。3時間で1カフエラか…。
ちなみにコスタリカでは、1カフエラの収穫作業に対する最低賃金が法律（？）で決まっており、
現在は850コロン程度(US$1.6弱)。実際はキリのいい1000コロン（2ドル弱）が相場のようです。
もちろん、このブルマスのように丁寧な作業を求める場合は、相場より高い賃金が提供されます。
採用される人も毎年同じ人たちで、どういう実をとるべきか、よく理解しています。
男性収穫人が頑張って働いて1日７カフエラ、と聞いていたので、個人的な今日の目標は５カフエラ！と言いたいところだけど、控えめに4カフエラ…を目標にしていました。
1カフエラに3時間。。。このままじゃ、3時（終了時間）までに控えめ目標さえ達成難…。
ともかくも、与えられた1列をなんとか終え、実を入れた袋を担いで（これまた重たい）次の場所に移動。
休憩やご飯は、めいめい自分の好きなタイミングでとります。これも歩合制ならでは。
遅れを取り戻すために必死な私の隣では、ワイワイおしゃべりしながらの作業。
日差しは強いけど、さわやか風が吹いて、カゴのチェリーは赤く色づいて…慣れれば、
牧歌的に楽しくできるようになるのかな？
だんだん慣れてきたものの、後半は、指が疲れてくる…。果汁が指についてベタベタするし。
いつの間にか、手は真っ黒。チェリーの果汁でベトベト。やっぱり毎日これをやるのは、しんどいなあ。。。
なんとか、2列目も終えたころには、時間はもう3時。目標の4カフエラは、なんとか達成できたかな？
と思ったが、ここで最後の問題が・・・
袋が担げない！
地面に置いた40キロほどの袋を、トラクターのあるところまで持っていかないといけないのですが、
疲れすぎて、担ぐにも担ごうという気力も出てこない。。。
・・・結局、他の方に担いでもらいました。。。
最後、トラクターのところで計量。
袋からカゴにチェリーを1カフエラずつ移し、列に並んで、トラクターの荷台にチェリーを入れていきます。
リーダーが計量し、1カフエラ入れれば、その場で1カフエラ分の現金が貰えます。
さて、私は計量したところ、結局3.75カフエラ。
控えめ目標に一歩届かず。熟度の高さだけは、まあ合格点もらえたかな。
しかし、一日頑張って、これで生豆換算10キロにもならないのか…そして一日の稼ぎを換算したら…
コーヒーの収穫が難しくて大変だってこと、気軽に『「熟練」収穫労働者が一粒一粒…』なんて言いますが、
その『本当に意味すること』が少しだけわかった気がしました。
世界中の各生産国で、こうして収穫してくれる方々のおかげで、
コーヒーが飲めることのありがたさ。。。
受け入れてくれたブルマスのフアン・ラモンさんに感謝です。とても貴重な体験でした。
皆さんももしも機会があれば、ぜひ一度体験されるのをおすすめしたいです。
酒井
