SPECIALTY COFFEE WATARU / ブログ詳細

2015-05-07T02:38:13

ニカラグアCOE2015

こんにちは。酒井です。
毎年4月～6月ころにかけて、中米各国ではカップ・オブ・エクセレンスの品評会が行われています。
私、酒井は、今回（4/20～24）ニカラグアCOEの国際審査員として参加させていただきました。

COEについては、こちらに詳しく書いてあります。（弊サイト内の記事）
＞COEとは
＞COEのはじまり
＞COEから見えてくるもの

ニカラグアではかなり早い時期、2002年にCOEがスタートし、今回で13回目。
COEを通じて、Dipilto、Mozonteといった産地が見いだされ、
今ではニカラグアを代表するスペシャルティコーヒーの産地になっています。
また、ニカラグアの固有品種JavanicaもCOE受賞をきっかけにその名前を広く知られるようになりました。

今回は、私が参加したこのニカラグアを例に、どのようにCOEが選ばれているのかを簡単にご紹介したいと思います。

COEは、ACE（Alliance for Cofee Excellence)という米国に本部があるNPOが主催しています。そして、国内のコーヒー機関（ニカラグアの場合、ACEN）が運営・サポートし、輸出業者などが実務スタッフ（裏方さんなど）を提供します。
（右写真は、各輸出業者から集まってくれた裏方さんたち。彼らの手厚いサポートで、カッピングに集中できます。）

最終的にCOE受賞コーヒーを決めるまでには、６回の審査が行われます。

まず、収穫期が終わった頃に国内の生産者から応募を募ります。規模やエリアに関わらず、どんな生産者でも応募することができます。
今回のニカラグアでは約300ロットが集まりました。

次に、ACEのヘッドジャッジ（公平を期すため外国人が選ばれます）、国内の審査員によって、「プレセレクション」（1週間）
「国内審査（ラウンド１）」「国内審査（ラウンド２）」（1週間）が行われます。
各回において、平均85点以上のロットが次のステージに進むことができます。今回は一連の審査を通じて、61ロットまで絞り込まれました。

最終的にCOE受賞コーヒーを決めるのが「国際審査会」で、日本人など消費国の審査員はここに招待されます。（1週間）
世界各国から集まった十数名のジャッジによって、1週間かけてじっくり審査が行われます。

月曜日：カッピング方法、点数の摺り合わせのために1日かけてカリブレーションを行います。
火曜～水曜：ラウンド１。国内審査をパスした全ロットを2日かけてカッピングします。（今回は61ロット）
審査員の平均点85点以上のロットはラウンド２に進みます。
木曜日：ラウンド２。ラウンド１をパスした全ロットをカッピングします。（今回は36ロット）
ここで平均85点以上ならCOE受賞、一番気を遣う、一番大変な日です。
今回は36ロットすべてが受賞となりました。
金曜日：トップ10。木曜日の審査で最も点が高かった10ロットを改めてカッピング。
上位10ロットの得点はこの時の点数で決まります。
つまり、この最後のカッピングで今年のCOE1位のコーヒーを決めるというわけです。
　　
（左から、審査会の焙煎機（プロバティーノ）、カッピング会場（1テーブル4人だけ）、ディスカッションルーム

すべてのサンプルは、カッピングだけによって審査されます。（ブラインド・カッピング）
審査員は、農園名・生産者・エリアなどの情報も生豆・焼き豆サンプルさえ見ることはありません。
先入観一切なしのカッピング評価が全てというわけです。
審査会はACEという第三者によって運営され、この完全に公平を期した審査会がCOEの信頼につながっています。

さて、今回のニカラグアCOE2015では、ワタルと深いつながりのある2人の生産者が素晴らしい成績を残されました。

第3位は、エルウィン・ミエリッヒ氏の
「ロス・アルトス農園」